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災厄の牛 後日談 『 災厄の年 』
文章:梟
王国にとってはカサス女王の15年目は、災厄の年であった。どこからともなく現れた数百頭ものミノタウロス。彼らは暴風のごとく国中を荒らしまわり、3つの街、23の村が滅ぼされた。しかし、人間もただ蹂躙されることに甘んじているわけではなかった。王国中に布令が出され、騎士、傭兵、屈強の若者達が続々と軍の旗のもとに集った。血みどろの激闘は1年の長きに渡ったが、ようやくに獣人たちを、彼らが巣くう洞窟にまで追い詰めるにいたった。えり抜きの戦士達が、災厄の根を絶つべく、洞窟の中へ勇躍していった……。
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地下に穿たれた巨大な空間は、むっとする異臭で満ちみちていた。黒や茶色の獣毛と白や褐色の裸身が所狭しと絡み合っていた。悲鳴、苦鳴、嬌声、喘ぎ、雄叫びが混ざり合い木霊する。国中から攫われた女達がミノタウロス達に犯されているのである。
「い……いやぁっ! お願い、お願いだからっ……もう、もう中はやめてぇぇぇ!」
悲鳴をあげる少女を尻から犯しながら、ぶるっと腰を震わせるミノタウロス。そのまま深く突き込んだ男根と少女との結合部から少女の狭い膣内に入りきらない白濁した液がどろりと床に流れ落ちる。獣人は、少女の尻をしっかり抱えこんで、最後の一滴まで射精の快感をむさぼり尽くす。そして、そのまま肉棒を抜くことなく、また動き始めた。少女は絶望のうめきとすすり泣きをもらしながら、終わりなき蹂躙を受け入れる。
「もっと、もっと頂戴! ああ、いい、いい、いいぃぃ!」
むっちりとした腰と豊かな胸を持つ女は、ミノタウロスの上にまたがり、自ら腰を振りしだく。口の端からよだれを垂らし、歓喜の声をあげながら、うつろな目でひたすら快楽を貪る。別のミノタウロスが目の前で腰を突き出すと、その男根を進んで咥えこんだ。
口、膣、肛門、胸、両手と都合、6頭のミノタウロスに犯されている娘もいる。前から乳房を犯しているミノタウロスが、大量の精液を顔や胸に散らした。すると、すぐに次のミノタウロスが入れ替わり、粘液にぬるつく胸の谷間に自分のペニスを押しこむ。この調子でもう、何巡もしているのだろう。娘の身体は、何頭分とも知れない体液にまみれていた。
正上位、後背位、騎乗位、座位、前から、後ろから、口で、胸で、手で。女を犯すあらゆる見本が集められたかのような光景だった。
しかし、真に忌まわしい光景はこれではなかった。この叫喚図を高みから見下ろすかのように、石の台座に張り付けられている物体があった。それが、信じられないほど膨張した下腹部を持つ女性だと分かるのにいくばくかの時間を要した。胸もメロンのように肥大し、乳首からミルクが滴り、筋を作っている。尖った耳はこの女性にエルフの血が流れていることを示していた。
女は、下唇をかみ締め、呼吸が荒い。全身、水を浴びたかのように汗にぬれており、かすかに痙攣している。変化は女性の股間で起きた。赤く爛れた割れ目が、ぐっと盛り上がり、ミリッミリッと徐々に押し広げられていく。
「んんんんんんっ!!」
いきり声と共に、ポタ、ポタと羊水が膣口から滴り落ち、黒い塊が押し出される。陰唇から半分ほど顔を出した『それ』はボタッと地面に落ちた。それは、牛の頭をもった赤ん坊だった。すぐに四肢をばたつかせ、ふらつきながらも立ちあがる。すでに開いている眼で周囲を見渡し、よろよろと歩き始めた。台座の周囲には、獣人達に犯され抜いて死んだように横たわった女達が転がっている。ミノタウロスの幼生は、そこだけ成人と同様の大きさとグロテスクさを備えた生殖器をいきり立たせながら、転がっている女にのしかかった。粘液でべとべとの陰唇に自分の幼根を挿し込み、腰を振り始める。
1時間後には、8頭目の幼生が地面に産み落とされ、ぐったりとした女性の腹はすっきりとしたものになっていた。しばらくすると、下で乱交に励んでいたミノタウロス達の内、ひときわ体格に優れた1頭が台座に這い上がる。彼は女性の上に覆い被さり、うやうやしく自分の巨根をその秘裂に滑りこませた。ミノタウロスがゆっくりと動き出すと、女性は明らかに悦楽の喘ぎをもらし始めた。ミノタウロスの動きは、すぐに腰を打ちつけるような激しいものに変わる。
「ああ、ああ、いいのぉ……もっと、もっと…出すのよ、出しなさい、子種を、さあ、あ、ああっ、早く!!」
女の身体が台座の上でしなる。ミノタウロスは女の腰を抱えこんで、自分の性器を深く突き込んで精を放つ。
「はひぃぃ! 出てる、いっぱい出てるの! また! また孕んであげる!! いっぱい、いっぱいぃぃぃ!!!」
それは、ハーフエルフの女冒険者エフィンだったものの成れの果てである……。
カサス女王の15年目。王国の年代記には、その年は、ただ『災厄の年』とだけ記述されている。
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